2009.01.28
“radio Samba-Nova” O.A.リスト(09年2月放送回)
■「radio Samba-Nova」 vol.11
(2009年2月1日更新)
2月O.A.回は、ニュー・リリース特集第2弾!
カシンが手掛ける注目のサウンドトラックに、CSSの未発表リミックス、
そしてサンバ~サンバ周辺曲までのバラエティ豊かな良作を、一気に紹介します。
また番組後半では、在日ブラジル人・コミュニティをとりまく現状レポートをお伝えします。
不況のあおりを受けてさまざまな問題を抱える在日ブラジル人・コミュニティの「いま」について、
ゲストをお迎えして聞いていきます。
2月第一回目の放送は、2/1(日)21:00からです。お楽しみに!!
※聴取方法: 文化放送UNIQue the RADIOの下記バナーをClique!
■オンエア予定楽曲
M1. Garganta Profunda “Sopro do Vento”
M2. Kassin “Gandorra”
M3. CSS “Move (Cut Copy Remix)”
M4. Rubens Nogueira “O samba é o som”
M5. Marquinhos De Oswaldo Cruz “Portela Canta”
M6. Márcio Local “Quem Pode Pode”
ニュー・リリース特集からまずは6曲オンエアしました。
(M1)ガルガンタ・プロフンダは、活動歴20年以上になるベテラン・コーラスグループ。女性2人、男性3人の混成グループで、自らも楽器演奏やアレンジ、作曲を手掛けることも。このアルバムでは、ホドリーゴ・マラニャオン、エドゥ・クリエゲル、ニウジ・カルヴァーリョなど、今注目の新世代サンビスタの作品を多く取り上げています。全員でハモっていても、一人一人の個性がまったく損なわれず、各人の声がはっきり聞き取れる魅惑のグループです。
(M2)現代のブラジルを代表するプロデューサーの一人、カシンが手掛けたサウンドトラック『ミチコとハッチン』サウンドトラックからの一曲。日本のアニメのサウンドトラックですが、ブラジルをモチーフにした架空の国でのストーリー設定ということもあり、イマジネーションとヴァラエティにとんだ楽曲が並んでいます。
(M3)欧米やここ日本でも大ブレイクしたサンパウロ出身のグループ、CSSの未発表トラック。オーストラリア出身の3ピースバンド、Cut Copyのリミックスでした。リミックスするほうもされるほうもロック・バンド、なのに音は完全にニュー・レイヴ仕様というのが面白い。
(M4)サンパウロ出身のサンバ作曲家/ヴィオロニスト、フーベンス・ノゲイラのサード・アルバム『Quando eu canto meu samba』から。ジャズ・ギターの素養もある人らしく、センシティヴな作風のいいアルバムです。サンバといえば、リオで生まれた、実にリオらしい音楽ではありますが、サンパウロのこうした繊細なサンバもなかなか捨てがたいです。
(M5)毎年12/2の「サンバの日」に開催されるイベント「サンバ列車」の仕掛人として知られるサンビスタ、マルキーニョス・ヂ・オズワルド・クルスのアルバム『Memórias de minh'alma』より。ポルテーラのシンガーです。
(M6)サンバ・ソウルの新星、マルシオ・ロカウのアルバム『Samba sem nenhum problema』から。クロいサウンドと声はセウ・ジョルジを彷彿とさせ、話題になっています。
(写真は全て2009年1月18日、在日ブラジル人による日本初のデモ行進。東京にて)
M7. TENSAIS MC’S “MestiSoul”
番組後半は、在日ブラジル人コミュニティをとりまく現状レポートです。
在日ブラジル人の支援団体「RESTARTコミュニティ」(「SOS Brasil Community」改め)から、
橋本秀吉さん、茂木真二さんをゲストにお迎えして、
雇用や教育など、コミュニティが抱えている問題についてお話を伺います。
毎月60分お楽しみに!!
■番組タイトル:「radio Samba-Nova」
■パーソナリティ:成田佳洋、ROZA
■放送日時:
毎週日曜日21:00~22:00
木曜日19:00~20:00再放送
※毎月第一日曜日更新
■番組宛メール: samba@joqr.net
2009.01.28
2009.3.8 イベント“shibuya B+2” @SECO LOUNGE
渋谷のブラジリアン・バール3店舗による合同イベント「shibuya B+2」。
豪華な出演陣が揃うこのイベントに、成田佳洋も参加します。東京近郊の方はぜひ!
shibuya B+2
渋谷にある“B”を頭文字にした“B”rasil系の“B”ar3店舗(bar bossa, BAR blen blen blen, Barquinho)による合同イベント開催!
2009.3.8.sun
at SECO LOUNGE
open 18:00~24:00
Charge: 当日\3000;1d/前売・予約 \2500;1d
DJs
中原仁 堀内隆志 橋本徹 成田佳洋 中村智昭 宿口豪
LIVE
中島ノブユキ(Piano) 北村聡(Bandoneon) 中村潤(Cello) 畠山美由紀(Vocal)
Pecombo(ペコンボ):ペコ りえ わか ハッチャン(Vocal+Chorus)
with 中西文弘(Guitar) 古尾谷悠子(Percussions) and R.H
小池龍平
会場・問い合わせ:
SECO LOUNGE
SHIBUYA UNIVERSAL SOCIETY (SUS) B1F
渋谷区渋谷1-11-1
Tel.03-6418-8141
2009.01.03
“radio Samba-Nova” O.A.リスト(09年1月放送回)
■「radio Samba-Nova」 vol.10
(2009年1月4日更新)
2009年一回目のradio Samba-Novaは、年末年始のニュー・リリースを大特集!
毎年膨大なリリースが集中するこの時期の新譜を、
ゲストの大洋レコード・伊藤亮介さんとともに聞いていきます。
今月からROSEのピンチヒッターをつとめるROZAにも注目です。
1月第一回目の放送は、1/4(日)21:00からです。お楽しみに!!
※聴取方法: 文化放送UNIQue the RADIOの下記バナーをClique!
■オンエア予定楽曲
M1. フェルナンダ・タカイ “四葉のクローバー”
まずは大洋レコード名刺がわりの1枚から。
昨年は来日公演も実現して、話題になりましたね。
新年は1/7(水)より営業とのこと、下記HPや店頭で気に入った1枚をゲットしてみては。
http://taiyorecord.com
M2. Marcelo D2 “Desabafo”
M3. Iara Rennó “Macunaíma”
M4. Marisa Monte “Infinito Particular”
M5. Dani Gurgel “Festa de Santo”
M6. Lô Borges “O Trêm Azul”
M7. Nelson Sargento “Nas Asas Da Canção”
M8. Sururu na Roda “Momento de Agradecer”
M9. Anna Luisa “Bailarina do Mar”
M10. Tom Zé “Brazil, Capital Buenos Aires”
そしてニュー・リリース特集から。伊藤さん選曲の(3)(5)(6)(9)(10)は、大洋レコードhpをご参照ください。
(2)のマルセロD2は、世界で最も知られているブラジルのヒップホップ・アーティスト。新作『A Arte do Barulho』からの一曲です。サンバとヒップホップを掛け合わせたスタイルで成功しましたが、今回はマルコス・ヴァーリ、セウ・ジョルジ、ホベルタ・サーなど多彩なゲストを交えつつ、よりシンプルに、ヒップホップの美学を追求しています。
マリーザ・モンチの新作『Infinito ao Meu Redor』からの(4)。2006年から2007年にかけて全世界で行われたツアーをロード・ムーヴィー・タッチに編集したDVDと、ライブCDの2枚組です。日本公演と同メンバーというのも嬉しいですね。
(7)は84歳になるサンビスタ、ネルソン・サルジェントの新録『Versátil』から。佳曲揃いの力作で、個人的には今までで一番好きなアルバムになりそうです。この曲はイヴォニ・ララとの共作で、彼女も参加しています。
(8)はリオを拠点に活動するグループ<スルル・ナ・ホーダ>のライブ・アルバム『Que Samba Bom』から。男性2人女性2人の若手有望株によって結成されたグループで、それぞれがソロとしてのキャリアもあります。特にこの曲でソロをとっているニウジ・カルヴァーリョは、もともと若干9才でバンドリン奏者としてレコード・デビューした天才肌で、シンガーとしても、曲作りにおいても、別格の存在です。これまではサンバ一辺倒だった曲調も、この曲のようにバイーアのアフォシェーのリズムを取り入れたり、徐々に幅が出てきました。
毎月60分お楽しみに!!
■番組タイトル:「radio Samba-Nova」
■パーソナリティ:成田佳洋、ROZA
■放送日時:
毎週日曜日21:00~22:00
木曜日19:00~20:00再放送
※毎月第一日曜日更新
■番組宛メール: samba@joqr.net
2009.01.02
【Brasil Best Disc 2008】 選外: V.A. "Samba-Nova"
選外 V.A. "Samba-Nova" (NRT)
自分で選曲してリリースしたものなので、順位はちょっと付けられないかと。
単純にいいメロディ・表現力豊かなサウンドの極致という感じなので、どんな用途でも楽しんでいただけたらこの上ない喜びなのですが、せっかくですからここから色んな方面に手を伸ばしていただけたらなお最高です。
「アーバン・ポピュラー・ミュージック」であるサンバが、現在いかに多彩に発展し、文化的な洗練を経ているか、おわかりいただけると思います。スタジオ・ボイスやミュージック・マガジンの特集をはじめ、本当に色んな雑誌で取り上げられたのも、新鮮さを感じてもらえたからなのでは。
ひたすらメロウで、フレッシュな音楽です。
2009.01.02
【Brasil Best Disc 2008】 #1: アドリアーナ・カルカニョット "マレー"
第1位 アドリアーナ・カルカニョット "マレー" (BMGジャパン)
月刊ラティーナ08年8月号で書かせてもらったインタビュー記事冒頭で、宮子和眞さんによる「現代におけるマリーザ・モンチとアドリアーナ・カルカニョットは、70年代のキャロル・キングとジョニ・ミッチェルに相当する才能だ」という趣旨の文章を引用させてもらったが、成熟した音楽ファンに対して、この人の音楽を原体験できる幸福をアピールするうえで、有効なフレーズだと改めて思う。
もちろんアドリアーナの音楽は、カエターノやドリヴァル・カイーミらブラジルのコンポーザーからの影響を受けているし、またその系譜に位置するシンガー・ソングライターであることは間違いない。けれども彼女の場合はそうしたサウンド面での影響云々よりも、表現されているストーリー性や、その詩的な世界観が最大の魅力だろう。
ある種の絵画や文学がそうであるように、人はそこに描かれた線や色、言葉のフレーズをただ楽しむだけでなく、全体を覆う気配や感情、背後にある物語を体験することができる。この音には風景や色彩があり、ときおり怖くなるほどの孤独の感情と、何にも縛られることのない自由な感覚、いくつもの眩い生の瞬間がある。
ドメニコ・モレーノ・カシンの「+2」トリオとデー・パルメイラによる、ごく音数を絞った、それでいて独創的なサウンドも、中毒性を一層高めることに貢献している。