2009.12.29

【Brasil Best Disc 2009】 #6: Gilberto Gil "Banda Dois"

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声とギター、ふたたび。
年末ぎりぎりに間に合ったジルの新譜は、09年9月のショウを収録したCD/DVDで、自身のギターとヴォーカルに、息子ベン・ジル(ギター、パンデイロ、タンボリン)の二人だけを基本としたごくシンプルな編成。(マリア・ヒタがゲストで、亡き母エリスにジルが提供した名曲「Amor Até o Fim」を歌っているけれど、この作品においてはそれも余興ということで。)
さらに、レパートリーも2曲を除いて全て自作曲、とくれば、ありがたくもこの日本で最もヒットしたジルのアルバム『声とギター ジル・ルミノーゾ』のことが誰でも浮かぶと思うが、まさにその続編と捉えて差し支えない。しかも重複曲は1曲だけ!
サンバ、ボサノヴァ、アフロ・バイーア、レゲエ、フォーク、ブルース…といったパフォーマーとしてのサウンド変遷と、コンポーザーとしての魅力が「声とギター」に集約された、ジルにしか為し得ない弾き語り(+1)表現、心ゆくまで味わってください。
以前もこのブログで書いたけれど、時代ごとにサウンドの振れ幅が広いアーティストの宿命ゆえ、何かと誤解されることの多い代表的アーティストというイメージがある。だからこそ、最初にこうしたシンプルな編成で本質を掴んでおくと、その後の印象が全く変わってくるのでは。マッチョなイメージを持っている人ほど、新たな発見があるのではないでしょうか。
公式hpで「全曲通しで」試聴できるので、じっくり聴いてみてください。

Gilberto Gil オフィシャルHP