ヘナート・モタ&パトリシア・ロバート 「サウンズ:平和のための揺らぎ」 Renato Motha & Patricia Lobato "SHABDS para a paz"
2007.3.21 on sale
CD定価¥2,500+税 DDCN-3008
歌詞付き
Wライナーノーツ:
坂野旬(NPO法人NaYOGA理事長)/ 成田佳洋
日本先行リリース
発売元:NRT
販売元:バウンディ株式会社
★recommended by 信國太志(TAISHI NOBUKUNI)
インド音楽とブラジリアンの融合を意欲的に試みたという作者の弁だが、それが二人のなせる技なのか正直あまりの見事な融合に全く違和感というかコントラストが感じられない。
何故だろう?
それは彼女達の楽曲の透明感はユニヴァーサルなもので、ガンジスの朝にもブラジルの朝にも共通する生きる喜びのようなものにあふれているから。
そしてなにより隣にいる恋人に囁くようにマントラ即ち神への愛をうたっていることにおいて、愛に大小や質的違いなど存在しないのだ。
彼女がインスパイアされてこの作品のモチーフにもなったというクンダリーニヨガ。
ブームのなかでヨーガという語の真意を誤解している人が多いがヨーガとは繋がるという意味。
それは恋人と繋がるように神とつながることで、いわゆるポーズはその入り口で、
この作品のようなマントラを唱えること(ラージャヨガ)、
仕事など全ての行為を神に捧げること(カルマヨガ)、
ひたすら神への愛をたかめていくこと(バクティヨガ)
といったように生きることの全てはヨガにつながる。
彼女が傾倒するクンダリーニヨガとはそもそも性的なエネルギーを背筋を通じて頭頂に上げ非2元的意識のもと 万物=神との合一を成就する技法である。
同様に彼女達はお互いへの愛を神への愛に昇華させたというわけだ。違和感などないはずだ。
それはまるで唄うタントラヨガ。
★recommended by 坂野旬(NPO法人NaYOGA理事長)
マントラ初心者にも違和感なく聴くことの出来る作品だ。
聴く人を選ばず、ヨガスタジオでもBGMに使いやすい1枚。
★recommended by 中村智昭(MUSICAANOSSA/カフェ・アプレミディ)
ヘナート・モタ&パトリシア・ロバートは、とても良質で洗練されたボサノヴァ・スタイルのデュオ。けれど例えば、「これまでのヘナート・モタ&パトリシア・ロバートのような音楽」を他に挙げようとするならば、それはそんなに難しいことではないように思えます(誤解しないでくださいね、もちろん彼らを大好きです)。
けれど本作では、他にちょっと類のない世界を新たに築くことに成功しています。
一言でそれを伝えようとするなら、「ブラジル音楽とヨーガの美しき出会い」。
彼ら自身が真剣に取り組んできたというヨーガの中で、 瞑想中に繰り返し唱える聖句"マントラ"にオリジナルのメロディーをのせ、インドの伝統的な音楽要素を加えるという挑戦。
しかもそれを単に"意欲作"として片付けてしまうには、あまりにも高い完成度で。
ヘナート・モタ&パトリシア・ロバートが、正真正銘のアーティスト(芸術性意識の高い表現者)であることを証明する、とても崇高なアルバムだと思います。
余談になりますが、先日打ち合わせでカフェ・アプレミディにいらしていただいた音楽家・鈴木惣一朗さんも、一曲目から大変に気に入ったご様子でした。
◆作品について
今もっとも良質で、洗練されたブラジル音楽を奏でるデュオ、 ヘナート・モタ&パトリシア・ロバート。
ジョアン・ジルベルトの系譜に位置する、ブラジル音楽の「正統派」として人気の高い彼らが今回取り組んだのが、ヨーガの聖句<マントラ>。瞑想中に繰り返し唱えることによって、人をより高次の意識状態に導くというこのマントラに、オリジナルのメロディをのせ、インド音楽の伝統的な音楽要素を加えた本作は、あらゆる音楽ファンに大きな驚きを与えるに違いない意欲作となった。92年のアルバム・デビュー以来、本作以前に7枚のアルバムを発表(デュオ名義では本作で4作目)、ブラジル音楽家としてのキャリアを着々と築いてきたヘナートとパトリシアだが、他方でそうした「ブラジル人らしい」音楽活動と並行して、プライベートではヨーガと真摯に取り組み、この文化に触れてきた。
「とても複雑な時代を生きているという意識もありましたし、自分たちの音楽をたんなる文化的なものやエンターテイメントとしてではなく、社会を平和にしたり、癒しになるような有益なツールとしても幅を広げたかったのです。」(ライナーノーツより)
コンポーザーとして大きな注目を集めるヘナート・モタと、MPBシーンでも指折りの美声で知られ、同時にヨーガの講師資格も持つパトリシア・ロバート。本作はそんな彼らの音楽と人生の集大成であり、これまでの音楽シーンに全く類を見ない意欲作となった。
◆パーソネル
Renato Motha: vocal, guitar, synthesizer, samplers, conga, tabla, produce
Patricia Lobato: vocal, percussion (ganzá, caxixi, moringa), tabla
Ronaldo Gino: programing, synthesizer, produce
2006年ブラジル/ミナス・ジェライス録音
◆TRACK LISTING
01) ONG NAMO (Guru Nanak <15世紀> − Renato Motha)
02) AD GURE NAME (Guru Nanak <15世紀> − Renato Motha)
03) MUL MANTRA (Guru Nanak <15世紀> − Renato Motha)
04) GOBINDE MUKANDE (Yogi Bhajan <20世紀> − Renato Motha)
05) RAKHE RAKHANHAAR (Patanjali <紀元前1,000年> − Renato Motha)
06) WAAH YANTI KAR YANTI (Guru Arjun <16世紀> − Renato Motha)
07) SAT SIRI SIRI AKAAL (Yogi Bhajan <20世紀> − Renato Motha)
08) GURU RAM DAS (Guru Gobind Singh <18世紀> − Renato Motha)
09) SAT NAM (Guru Nanak <15世紀> − Renato Motha)